中国語の映画

さらば、わが愛/覇王別姫 巩俐(コン・リー)の映画3

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『さらば、わが愛/覇王別姫』(原題: 覇王別姫)は、1993年の香港・中国の合作映画である。日中戦争や文化大革命などを背景として時代に翻弄される京劇役者の小楼や蝶衣の目を通して近代中国の50年を描く。原作は李碧華の同名小説。

巩俐(コン・リー)は女郎の菊仙を演じる。菊仙は置屋の女主人から、女郎は幸せになれないと罵られるが、幸福を手に入れるべく過去と決別して小楼と結婚する。巩俐(コン・リー)28歳の時の出演作である。

「覇王別姫」とは、劇中に登場する四面楚歌で有名な項羽と虞美人を描いた京劇作品。1993年第46回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール受賞。

あらすじ
1920年代の中国・北京。楼閣の女郎の私生児である小豆子は、京劇俳優養成所に連れられる。多指症故に入門を断られるが、実母に指を切断され、捨てられるようにして預けられる。厳しい稽古と折檻の中、仲間から娼婦の子といじめられる小豆子をことあるごとに助けてくれたのは、先輩の石頭。やがて小豆子は、石頭に同性愛的な思慕を抱くようになる。
成長した2人は、それぞれ程蝶衣(小豆子)と段小楼(石頭)という芸名を名乗り、『覇王別姫』 で共演しトップスターになる。蝶衣は嫉妬心と自らを捨てた母と同じ女郎の菊仙に激しい敵意を抱き、同性愛者である京劇界の重鎮・袁四爺の庇護を求め、小楼との共演を拒絶する…(以上Wikkipedia参照)

 

日本軍の描かれ方
進行して来た日本軍は蝶衣たちの劇場にも押し寄せ、大東亜共栄圏の垂れ幕が下がるなかで、銃を持った兵士に監視されながらも京劇「楊貴酔酒」が上演される。特別席で蝶衣の観劇した青木将軍は劇を観終わった後、満足そうに笑みを浮かべ手袋を脱いで拍手した。周りの日本人もそれに倣った。


一方楽屋では、京劇の衣装を気に入った日本兵に媚びた中国軍兵士が小楼に衣装を提供することを要求する。怒った小楼はレンガで警官の頭を殴ったため警官隊と劇場側の人との間に乱闘が始まり、小楼は逮捕されてしまう。

菊仙は蝶衣に小楼との離別を条件に、日本の将校に取り入るよう頼み、蝶衣は日本軍の宿舎を訪れ、将校らの前で「牡丹亭」を舞う。将校たちは青木を始め礼儀正しく正座し、見終わった後に静かに拍手を送った(なぜか全員白い手袋をしたままで拍手している)。

釈放された小楼を出迎えた蝶衣と菊仙だったが
小楼:你给日本人唱了吗?(日本人のために歌ったのか?)
蝶衣:有个叫青木的,他是懂戏的(青木という将校がいて、京劇のことが分かるんだ)
小楼は突然蝶衣の顔に唾を吐きかけ、そのまま立ち去るのだった。

やがて日本は敗戦し北京は国民党軍により支配される。今度は蝶衣たちの劇場を国民との兵士が埋め尽くす。国民と兵士は行儀が悪くおよそ劇など観ずに騒ぐだけであった。壇上の小楼は兵士たちを見据えこう言う。
连日本人也没这么闹过(日本軍でさえこのような騒ぎ方はしなかった)
日本軍と比較された国民党軍の兵士たちは、怒り狂い小楼たちに襲い掛かった。双方が入り乱れての乱闘の中、分けて入った菊仙は腹をけられて小楼の子供を流産してしまう。

蝶衣は国民党に漢奸(日本軍に協力して国を裏切った罪)に罪で裁判に掛けられる。漢奸との判断がなされれば即銃殺が待っている。小楼は京劇界の重鎮であり蝶衣のパトロンでもある袁四爺に有利な証言を依頼する。袁は蝶衣が日本軍に暴力で脅されて止む無く踊ったのであると雄弁に弁護した。これで裁判の行方が決まったかの雰囲気であったが、裁判長に発言の機会を与えられた蝶衣は静かにこう述べる。
堂会我去了 (私は日本軍の宿舎に行った)
我也恨日本人 (私だって日本人は憎い)
可是他们没有打我 (しかし、彼らは私に指一本触れなかった)
青木要是活着 京戏就传到日本·国去了 (青木がもし生きていたら、京劇を日本に持ち帰って紹介しただろう)
你们杀了我吧 (あなた方が私を殺したのだ)


法廷内は騒然となり、袁は憤然として席を立って帰ってしまう。
結局、蝶衣は京劇好きな国民党軍幹部の指示により一転無罪とされ、国民党幹部の前で京劇を演じることとなる。

そして、国民党に変わって今度は共産党が支配する時代となり、蝶衣たちの劇場は共産党の兵士で埋め尽くされることになった。兵士たちはリーダーの指示に忠実に拍手や歓声を上げ、最後には全員で革命軍を称賛する歌を大合唱するという有様であった。小楼たちは茫然としてその様子を見て不安を感じる。

 

同じ劇場で日本軍、国民党軍、共産党軍の兵士たちが京劇を観るシーンが出てくるがその比較が興味深い。通常、最も忌み嫌われるべき鬼子として描かれる日本軍が礼儀正しく、京劇を最も理解しているものとして描かれている。張芸謀監督の「紅いコーリャン」に描かれている極悪非道の日本軍像とは大きく相違している。

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