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中国の人には誕生日が2回ある!?

投稿日:1月 2, 2018 更新日:

中国に駐在していて戸惑うことに、日本の旧暦に相当する農歴というものの存在があります。中国には春節と端午節、中秋節と言った休日となる節目をこの農歴で定めるために太陽暦での日付とずれが生じ、しかもその日付が毎年動いてしまうことになりますので日本人は良く理解できず戸惑うことが多いのです。

春節はいつになるのかは直前に国から発表

日本の正月は太陽暦で1月1日ですが、中国の正月(春節)は太陽暦で何月何日になるのかは前年の12月の中国国務院の発表で初めて決まるのでした。これは上海の工場にとっては非常に頭の痛い問題で、例えば2018年の春節期間の休日は2/15から2/21までの7日間であり、長期の連続休暇にするためにその前後の休日2/11(土)と2/24(日)は出勤日にせよとの政府からの通達がありました。この休みの間に休日出勤させる場合はその日に応じた賃金の割増率まで定められているのです。生産が忙しい時は割増も覚悟の上で稼働させなければなりません。故郷に帰るよりは割増料金でこの時期しっかり稼ぎたいと考え従業員も少なくないので人員は何とか確保できます。製造部門はこのように春節期間でも一部動いていますが、間接部門は完全に7連休となります。
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中国の日本人スタッフの苦労は日本の本社には理解されません。日本人スタッフは日本の正月にはやはり帰国して家族と過ごしたいので5日間ぐらい工場を休みにします。その上春節の時も7連休にしますので、その間会社が稼働している日本から見ると上海工場は休んでばかりいるとみられてしまうのです。中国ではカレンダー上、日本ほど休日は多くありませんので年間の休日数はむしろ日本比べて少ないのですが、自分たちが仕事をしているときに上海工場が休日で稼働していないと「この忙しいのに」といった感情を持ってしまうのは仕方がないことかもしれません。

それでは、その日にちのずれはどこから来るのかすこし整理してみましょう。

中国の農歴とは日本で言う旧暦に近い

太陰暦とは月の満ち欠けを基準にして日を数え、月が見えない新月の日をから次の新月の間を一ヶ月とします。月の満ち欠け周期が29.53日なので基本的に1ヶ月30日の大の月と1ヶ月29日の小の月がほぼ交互に繰り返されます。

そのため大陰暦での1年12ヶ月はおよそ354日となり、太陽暦の365日よりも10日あまり短いので何も調整しないでいると17年後に半年ほどずれてしまいます。そこで、およそ3年に一度、閏(うるう)月を挿入して1年13ヶ月として季節を調整します。これが太陽暦に合わせて調整した太陰太陽暦で中国の農歴に相当します。

それでも、太陽暦に比べてひと月分ほどずれてしまうことがあります。季節は太陽の動きで訪れますので、農作物は太陽の周期に合わせた準備が必要になりますので、ひと月もずれたのでは種まきの時期を逸したりして困ります。そこで、太陽の1周期を24等分してそれぞれに名前を付けて太陽の動きが分かるようにしました。これが立春や大寒などの二十四節気です。二十四節気は太陽暦とおなじですから、中国の立春と日本の立春は時差を除けば一致することになります。

誕生日を尋ねると困った顔

中国の友人に誕生日を聞くとなぜか少し困ったような顔をして教えてくれることが多いので不思議に思っていました。中国では誕生日を他人に教えない風習でもあるのかと思ったりしたものです。しかも一度聞いて覚えていたその誕生日ではない日に、今日は私の誕生日だといったりするものですから、訳が分からなくて混乱してしまします。

どうもこれは、誕生日を太陽暦でいう場合と農歴でいう場合との二通りの日付が存在していることからの混乱であることがあとで分かりました。中国人自身も混乱していることもあり、日本人に誕生日を尋ねられた場合に、事情の分からない外国人にどちらの日付で答えたらいいか一瞬迷うらしいのです。

現在の中国の一般的生活スケジュールや政治日程などはもちろん世界の標準である太陽暦を使っていますが、農村部では根強く農歴を使っているようです。そして春節になると一斉に年を取るいわゆる「数え歳」の習慣も残っています。しかし、公的に行う就学の年齢や身分証の配布条件である16歳などは、身分証にある生年月日を基準に満で計算します。

では、何故誕生日が2通りありうるかと言いますと、身分証にある生年月日の基になる戸籍の生年月日の届け出を太陽暦でするか農歴でするかの決まりがないからです。いずれであろうと届けられたその日を基準に太陽暦で計算するということになっているからです。親が子供の出生時に出生日を農歴の9月1日で届ければ、その子は育った故郷では農歴の9月1日に誕生日のお祝いを受け、都市に出て生活してからは太陽暦の9月1日も誕生日ということになります。

親が子供の出生日の届け出を太陽暦でしか行わないようになるまでこの混乱は続くものと思われます。春節を農歴ではなく太陽暦の正月に合わせようという動きもないわけではないようですが、抵抗が強いのも事実でなかなか進みません。この農歴の問題は短期間では解決しそうもありません。

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