上海の生活 中国で働く人々

中国人の女性スタッフは男性より有能

投稿日:12月 24, 2017 更新日:

私が勤めていた上海の工場では毎週金曜日の朝に課長以上による幹部会を開いて、週次の報告やら連絡事項、そして課題についての議論などを行います。幹部は日本人が6人、中国人が6人の計12人ですが、すべて日本語で行い、通訳はしません。何故でしょうか。中国人幹部全員が日本語ができるからです。

日本語が採用の最需要条件

幹部職員を新たに採用するときは日本語ができることが最低限の条件となります。専門知識はそれほど重要視されません。日本語ができないが専門知識のあり即戦力となる人は別途採用するからです。幹部社員は日本人幹部の意を汲んで中国人スタッフとの橋渡しをすればよくマネージメント能力があればいいのです。この管理方法は理にかなっていました。

私の会社の生産工場はタイと上海とベトナムにありました。最初はタイで海外性向上を立ち上げ、タイの人件費が上がってきたので上海に工場を作りました。その上海も賃金が上がり採算が合わなくなってきたので今度はより人件費の安いベトナムにというわけです。ベトナムの人件費が上がったら今度はどこに行こうというのでしょうか。安い人件費で作らなければ競争力のない製品しか作れない企業はこういうことになるのです。

英語が公用語のタイ工場の混乱

タイの工場に打ち合わせで行った時のことです。タイの工場は英語が公用語であるとかねてから聞いていました。会議はすべて英語で行っているとのことで、関心していましたが、タイ工場に赴任していく人を見るとおよそ英語とは縁のなさそうな者ばかりなのでどうなっているのか興味はありました。
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その対抗上である会議に同席したときのことです。日本人とタイ人とが半数ぐらいの比率で、人員配置のことで議論をしているのですが、英語を話しているということぐらいしか分かりませんでした。日本人の話す稚拙なブロークンイングリッシュとタイ人が話すタイ語訛りのきついこれまたブロークンイングリッシュが飛び交い、しばらくは内容を理解しようとして必死に聞いていましたが、頭が痛くなってきましたので途中からは聞き流すことにしました。

タイ工場は以前から品質や納期のことでトラブルが絶えませんでしたが、その原因がようやくわかりました。言語が壁になっていて日本人幹部とタイ人スタッフとの間の意思疎通がうまくいっていないのでした。

日本語でまずはきちんと伝える

一方上海工場では日本人は考えたことをそのまま日本語で中国人幹部に伝えます。中国人幹部は100%近くその意味を理解していますので、それを中国人の部下に伝えます。言葉の行き違いということは起こりません。

私が赴任した時の上海工場のトップ(総経理)の人はすでに駐在して5年が経っていましたが、驚いたことに中国語を一言も話すことができませんでした。「ニーハオ」すら言っているのを聞いたことがありません。買い物が必要な時は、日本語のできる中国人スタッフを携帯電話で呼び出して買い物に付き合わせます。食事は日本語の通じる日本料理店しか行きません。それで5年間一言の中国語も話さないまま日本に帰国しました。それでもそのトップの経営管理は素晴らしいと日本の本社のみならず親会社からも評価を受けていました。

日本人が幹部の部署にはその下に日本語のできるスタッフが必要です。大学の日本語専攻者は圧倒的に女性が多いですので、どうしても女性になってしまいます。製造部品メーカーである会社の要の部署ですから代々日本から来た技術者が部長を務めていました。しかし製造部門といっても、切削、モールド成型、プレス、メッキと組み立てといった要素技術が違った係で構成されて言いますので部長が全部の専門知識に長(た)けているわけでもなく詳細まで見ることは不可能です。各係に通訳の女性を採用して配置するのですが、驚いたことにそのうちの何人かは2年程度でその現場の実際の係長になってしまうのでした。

女性通訳がいつの間にか現場の係長に

通訳しても専門用語の意味が分かっていないと会話が成立しません。わからない単語を別の関係のない単語の置き換えてしまうと全く意味が通じなくなり、会話が成立しません。そこで彼女らは必死に専門を勉強しだすのです。通訳をしながらわからないことは現場の職員にしつこく聞いて知識を身につけていくと、作業はできなくとも何を管理しなければいけないかがわかってきます。そうすると日本人幹部の指示が主旨が理解でき、なまけ癖のある男の作業員を管理するようになってきます。ついには日本人から信頼を受けて実際の現場の係長に抜擢されてしまうのです。

日本語しか勉強してこなかった彼女たちが専門知識を身に着けて現場を取り仕切るようになれるということは、もともと能力が備わっているということで、中国女性の能力の高さを表すものと思えました。実際に会社の中を見渡すと、男の従業員は楽をすることばかり考えているものが多いのですが、女性は勤勉で才能がある人が多くいることに改めて気づかされます。

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