上海の生活 中国で働く人々 中国の風習

中国人から見たおかしな日本人

投稿日:12月 23, 2017 更新日:

本人はまじめにやっていることでも傍からみると滑稽だということがあります。本人がまじめにやればやるほどその滑稽さが増すことにもなります。われわれ日本人からすると中国人は随分とおかしいことをしているなと思うことが間々ありますが、逆に中国人から見て日本人のここがおかしいというところがあるはずです。

上海の工場に駐在し始めたころのことです。事務棟の各部屋には丸いごみ箱が複数設置されていて、日本の本社と同じようにそれぞれに紙類、プラスチック類、金属類と表示されていました。時々事務所内を点検して回るのですが、或る時紙類のゴミ箱に電池が捨てられているのを見つけました。早速総務の李係長を呼んで見てもらい社員へのゴミの分別を周知徹底するように指示をしました。

彼はニコニコしながら私の話を聞いていましたが、やがて振り向くと急に険しい顔をして、その部屋で机のパソコンを覗き込んで仕事をしているみんなに向かって大きな声で中国語で注意をしました。そして振り返ってまた笑顔に戻って、みんなに注意しましたからもう大丈夫ですと私に言いました。

黒いポリ袋の中身とは?

その後ゴミ箱の中を見てもキチンの分別されていましたので、周知徹底されたものと思い満足でした。しばらくしたある日の朝、早めに出勤した私は工場内の掃除を担当している総務のおばさんが黒い大きなポリ袋をぶら下げて引きずりながら事務所の廊下を歩いていくのを見ました。社員が出勤する前にゴミの処分するのが彼女の仕事のようでした。なんとなく気になり少し離れてついて行きながら様子を見ていると、事務所の例のゴミ箱が並んでいるところで立ち止まり、ポリ袋の口を開けたかと思うとその中にゴミ箱の中身を次々と放り込んだかと思うと、何食わぬ顔でまたポリ袋を引きずって隣の部屋に向かっていきました。私はその光景を見て唖然としてしまいました。わざわざ分別したものを一つの袋に一緒に入れたのでは分別した意味がないではありませんか。
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出勤してきた李係長を捕まえて早速事の次第を説明しました。彼は最初こそ神妙に聞いていましたが、やがていつものニコニコ顔になり、そうなんですよと当たり前のように言い放ちました。彼の説明では工場内のゴミは、集めた後に屋外に設置してあるコンテナにプールして置き、定期的に回収に来るトラックが運んで持って行くのだそうです。梱包に使われていた段ボールや木枠は再利用が可能な回収資源として別のコンテナに別途集められますがその他のゴミは全て一緒に処理されるというのです。それではゴミ箱を種類別に分けて捨てさせる意味がないではないかというと、そうですと事もなげに答えるのでした。

工場には頻繁に来訪者があります。お客さんのこともあれば日本の本社や親会社からの来訪者も頻繁にあります。そしてツアーと称して工場内を案内するのですが、そのころ日本会社では盛んにゴミの分別が話題になっていましたので、一つしかゴミ箱がないことに気づくと、ゴミの分別は何故していないのかと必ず質問が出るのでした。あるとき説明が面倒になった以前の担当者が分別用のゴミ箱を置いていたらそれからはそういう質問が出なくなったというわけです。それ以来かたちだけのゴミ分別が行われ、中国人従業員たちも心の中では笑いながらもそれに付き合っていたことになります。

白いマスクの異様な集団

私が駐在していた時に政界中でサーズ(重症急性呼吸器症候群サーズ:SARS)が流行した時がありました。日本の本社からは高性能のマスクが箱で大量に送られてきました。サーズは日本の高性能なマスクでないと防げないと言われていました。私たちは事務所の中国人スタッフたちに使うようにと箱を部屋ごとに置きました。もちろん自分たちはマスクをした上です。ところが何十人もいる中国人スタッフは誰一人としてそのマスクに手を出そうとはしませんでした。

彼らに言わせると、白いマスクは病院で医者に指示されて使うもので、病人しか使わないものなのだそうです。確かに、上海は空気が汚れていますので電動バイクなどで出勤するときにマスクをする人がいることはいますが、白いマスクをしている人を見かけたことはありませんでした。彼らがしているマスクは概して黒っぽい色で、なかには絵柄の入ったものもあります。材質は単なる布を重ねたようなもので、汚れた空気が直接口に入らなければいいと言った程度のものでした。

あるとき会議室で日本人が6人で会議していた時に、コーヒーを入れてくれた総務の石さんがクスクス笑っているので理由を聞いてみると。6人が全員白いマスクをして向かい合っている光景はおかしくもあり、異様だともいうのです。春先の花粉症の時期に日本を訪れた中国人は白いマスクだらけの日本人を見て驚いたといいます。

その後、特に北京でPM2.5が問題になってからは、さすがに単なる布性のマスクでは微細な粒子を防げないので、日本の高度な技術に裏づけされたマスクを輸入して使うようになりました。日本のマスクは当然白い色のものしかありませんから、次第に白いマスクが中国でも普及して来たようで、最近のテレビニュースを見ていると中国でも白いマスクの集団が普通に見られるようになりました。

黒社会から来た男

何年も中国に住んでいると、街中で見かける人のなかで、あれは日本人だなと分かるときがあります。顔の造作は日本人も中国人も同じで区別はつきませんが、服装や顔の表情でそれとなくわかります。

私は10月に上海に着任しましたので冬用のコートを持って行きましたが2,3度着ただけで着るのを止めました。黒いロングコートなのですが、それを着ていた時に会社の人事の女性の呂さんに昔のギャングみたいと笑われてしまったからです。

私は中国語の勉強もかねてパソコンの動画サイトで中国のドラマをよく見ていました。ドラマは抗日戦士のものが多いですが、戦前の上海での黒社会を描いたギャングものも多く見ることができました。ギャングの世界を中国では黒社会といっていました。古い時代をテーマにしたドラマが圧倒的に多いのは、現代を舞台にしたドラマは下手をすると体制批判と受け止められる危険性があり、当局の監視もあってやりにくいだろうと思えました。

私が気に入って観ていたドラマに、黄暁明が演じる主人公が1930年代の上海の黒社会でのし上がっていく過程を描く「新上海灘」というのがありました。そのドラマに出てくるギャングたちは一様にスーツにの上に黒いロングコートをまとい、これまた黒いハットをかぶって、懐にピストルを忍ばせているというものでした。

黄暁明主演のドラマ「新上海灘」

 

私が住む上海郊外の嘉定区では冬は男性のほとんどがジャンパーを着ています。短いコートを着ている人を見かけること少ない中で、昔のギャング映画から抜け出してきたような黒いロングコート姿の私は中国人には滑稽に映ったようです。私はすぐにデパートに行ってジャンパーを買いました。時々黒色やバーバリーのようなロングコートを着た人を街角で見かけるときがありましたがそれは間違いなく日本人でした。

赤信号でいつまでも佇む日本人

中国の市街地で信号機のある交差点で赤信号で待っていますと車が多きときはおとなしく青信号まで待っています。しかし途中で車の流れが途絶えて走ってくる車がないと中国人はさっさと青信号に代わるまで待たずに道路を渡ってしまいます。しかし、日本人はそれができず、律儀に信号が変わるまで待っています。車が来ないのに赤信号で立ってる人を見ると「ああ日本人だな」と思ってしまします。車が来ていないかを確認するときに右側から確認するのは決まって日本人です。日本の交通標語で「右見て、左見て、もう一度右を見て横断歩道を渡りましょう」というのがありますが、中国では「左見て、右見て、もう一度左を見て横断歩道を渡りましょう」といいます。中国では車は右側車線を走ってくるからです。

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