実際の上海の賃貸マンションの価格ははどうなっているのか、これから上海に出向になる人には気になることですが、インターネットで簡単に調べることができます。
それは房天下というサイトです。
中国の主要都市の平方メートル当たりのマンション購入単価(新築と中古)から賃貸マンションの月当りの部屋代がリアルタイムで見ることができます。
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この房天下サイトを開いて上海の実際の部屋代を見ていくことにしましょう。
先頭のタブで都市を選択できます。画面では上海を選択しています。
「新房」タブは新築、「二手房」とあるのは中古マンションです。二手とはその名の通りセコンドハンドつまり中古のことを言う中国語です。次の「祖房」が賃貸マンションを意味します。
上海市と「祖房」を選択すると、「区域」や「祖金」(1カ月の賃貸料)、部屋数、
「方式」などを選べるようになっています。「不限」とは「この限りではない」つまりどれでも構わない時に選択します。
「方式」には「整祖」と「合祖」などがあります。
「整祖」は家財道具が揃っている部屋を言います。私が借りた2LDKの「整祖」には、ベッド2台、食卓と椅子4脚、ソファー、テレビ、部屋ごとにエアコン、冷蔵庫、ガスコンロ、給水器、洗濯機などの新品が揃えてありました。
「合祖」はルームシェアができる間取りであることを意味し、二人がそれぞれの個室を持ち食卓台所は共同で使う方式です。農村から都市に出稼ぎできている若者たちは最初4~7人ぐらいで一部屋に住みますが、やがて給料が上がって余裕が出てて来るとこの「合祖」に移り住むようになります。一緒に住む相棒は友人とは限りません。ひとりが転居して空いた部屋に不動産経由で借りた未知の人と一緒に住むことが多いようです。
条件を入れると、候補の部屋が写真と条件付きで表示されます。気に入ったものを選んで写真をクリックすると詳細画面に飛んで、各部屋ごとの写真や、不動産担当者の詳細な説明と連絡先の携帯電話番号が出ています。話を進めるには担当者に電話をして見学の日時を決めることになります。
それでは、上海市内でも特に日本人が多く住み、日本食材を売る店などが揃っている日本人には住みやすい人気エリアである古北地区を見ていきましょう。
まずは、日本人駐在員が一人で借りて住む平均的な「2室1庁」を探してみます。
日本人に人気の古北地区
「庁」は食堂を意味しますので「2室1庁」は日本での2LDKと言ったところです。大体月6000元が平均的な部屋代のようです。最近の換算レート17円/元で計算すると10万2000円となりますが、上海での物価を考えると換算した円の4倍の実質価値がありますので、日本での40万円/月前後の高級賃貸マンションに相当します。日本のいわゆる礼金、敷金なるものは中国ではありませんので、単純明快でとても分かりやすいといえます。
物件1:長寧区古北地区 6000元/月
「一分品質一分価格」とは通常の表現では「一分銭一分貨」といいますが、いいものはそれなりの価格がするものだという意味です。つまりこの部屋にこの値段は妥当なところですと言っているのです。
「時尚干浄」はファッショナブルで清潔だと言いたいようです。「整祖」とありますので家具は一通り揃っていることになります。写真にはソファー程度しか映っていませんが、テレビやエアコンなどの電気器具類もあるはずです。「朝南」とあるのは南向きであることを意味します。「朝」は朝日が入る方向の意味ではなく「・・を向く」を意味する介詞です。
魯迅ゆかりの虹口地区
次に、かつて日本の租界があって多くの日本人が住んだ虹口区の平均的な2室1庁の賃貸マンションを見てみましょう。虹口には魯迅の旧居があり、近くの虹口公園(現在は魯迅公園という)に魯迅が葬られています。
物件2:虹口区 7000元/月
「凱虹家園(2房7000块)図片実拍、4/10海倫路站」と表示されています。
「凱虹家園」は小区の名前、「块」は元の口語体ですので7000块は7000元となります。古北地区より少し高い相場ですね。「図片実拍」は写真が実物を撮影したものであることを言っています。「4/10海倫路站」は地下鉄4号線と10号線が止まる海倫路駅に物件があることを示しています。「站」は駅のことです。
北の郊外にあって歴史の古い嘉定区
さて、日本企業が多く進出していて、日本人も多い嘉定区を見てみましょう。私が4年近く住んだところです。
物件3:嘉定区 2500元/月
上海市街地に比べかなり安価で、これが嘉定区の平均的な価格です。上海市街地に比べて格段に安いと言っても中国の地方から出てきた出稼ぎの人たちにはとっては高嶺の花です。通常は仕事を斡旋する業者が1部屋を借り、そこに4人から7人程度を押し込んでそれぞれから部屋代を徴収する場合が多いようです。
それではもっと安い部屋を探してみましょう。
物件4:古北地区の合祖 2000元/月
古北地区で一番安いグレードの部屋を探すと合祖(ルームシェア)しか出てきませんが、それでも2000元前後してしまいます。3室1庁とありますから3LDKの部屋を3人で借りることになるようですが、この物件はその3部屋のうち一番広い部屋の写真と部屋代です。「主臥」とは「主たる寝台」つまり一般の家で言うところの主人夫婦が寝る部屋ということです。「次臥」は主に子供たちが寝る部屋を指して言います。従って他に小さな部屋が二つありそれぞれが別々に借主を探していることになります。
物件5:嘉定区の合祖 822元/月
嘉定区での3室1庁の合祖ですが、月822元とかなり割安です。安いと言っても出稼ぎの農民工の給料の半分以上の額ですからこれでもまだ住めません。給料がやっと2000元を超えると「たこ部屋」から抜け出して住めるようになるレベルです。
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