上海の生活

上海の住宅事情・・住宅バブルは何時はじけるのか

投稿日:3月 13, 2017 更新日:

2010年前後に上海に住んでいて感じたことはマンションの値段が上がり続け、何時住宅バブルが起きても不思議がないということでした。しかし7年経った今もその兆候はありません。

当時の上海市の住宅事情から住宅バブル必至と思えた状況について説明したいと思います。

私の勤務した工場は上海市の郊外にある嘉定区にありました。工業団地として区画されたもので、外資系企業への優遇措置もあって地代も安く、日系企業の工場も多く進出しています。

日本人の駐在員は6,7人で上海市の中心部でもともと日本人が多く住んでいる長寧区古北地区でそれぞれが自分で選んで借りたマンションに住んでいました。

そこは日本料理店や日本食材店もあり生活に便利な上に治安もいいことから今でも多くの日本人が住んでいます。そこから嘉定区の工場までを会社の車で高速道路を使って小一時間かかる道を送り迎えをしてもらていました。会社専属の運転手が1台のワゴン車で一人ずつ各マンションを回ってピックアップしていくのです。

あるときに上海の会社のトップが替わりました。新しいトップは会社の中国人運転手の乱暴な運転に往復2時間揺られている恐怖に耐えられず古北のマンションを引き払い嘉定区内の会社の近くのマンションに引っ越してしまいました。

このときの転居の理由をそのトップが素直に身の危険を感じたからと言えば他の人は「自分は平気」と言って今まで通り便利な上海市街に住み続けられたのでしょうが、臆病と思われるのが嫌だったのかそのトップは転居の理由を会社の経費節減のためとしてしまったのです。

駐在社員の住居費は会社が負担することになっていますが、古北地区のマンションの賃貸料の相場は2LDKで6~7,000元/月(当時13円/元)程度ですが日本人が借りる場合は2、3割りアップするのが通常です。嘉定区では同じ条件のマンションをその半分以下で借りることが出来ます。→上海の賃貸マンションの価格

 

困ったのは他の日本人社員です。トップが経費節減を理由にしている以上は、自分たちだけ高いマンションに住んでいるわけには行かなくなり結局全員が嘉定に移り住むことになってしまいました。

中には会社負担をいいことに、なんだかんだと理由をつけて月2万元近い高級マンションに住んでいた強者もいましたので、そのこともあってトップが自ら経費削減を理由に転居したとも考えられます。

嘉定区ではどこを探しても2LDKの部屋で6,000元/月を超える部屋は見つかりませんので。それ以来工場に派遣された駐在員は嘉定区に住むのがルールのようになってしまいました。

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前の住居者の所有物が残ったままのマンション

私が最初に住んだマンションは嘉定市街の中心にありました。5階建てでエレベーターが付いていない古いマンションというよりはアパートといった方が合っている建物でした。

部屋の間取りは2LDKで、賃貸料は3000元/月程度でした。部屋の持ち主は近くに引っ越したとのことで、食器や寝具がそのまま残っており、寝室には子供の縫いぐるみやら、育児書などの書籍までもがそのまま残っていました。

どうやら大家さんは日本人に部屋を相場よりも高く貸して、自分たちは安くて狭いマンションに移り住まなくてはならない事情が出来たようで、いずれは戻って再び住むつもりのようだと思われました。

実はその部屋は同じ会社の同僚が1年契約で借りていたものが半年経って帰国の辞令が出たために、貸部屋を探していた私が引き続いて借りることにしました。着任後の1カ月はホテルに部屋を借りて会社に通っていましたが、さすがにホテル住まいは落ち着かず、飽きてもきましたので適当なマンションがあれば借りたいと思っていました。

その部屋にはすぐにでも生活ができるように物が揃っていましたので代わりに住むことにしましたが、大家さんの生活の形跡が色濃く残っているためこれも落ち着かず、残りの契約期間が切れたのを機に再び転居することにしました。



最初に住んだ古いマンション

警察官がマンションを3軒も所有

次に住んだのがまだ新しい小区にある11階建てのマンションの9階の部屋でした。今度はエレベーターがあり、部屋も誰も住んでいない新装で、窓からの景色もすばらしいので借りることにしました。部屋は2LDKで4,000元/月です。

大家さんは警察官ということで他にも2軒ほどマンションを持っているとのことでした。買った時は1軒当たり300万元はしたはずなのでそれを3軒も所有しているということは、日本円で1億円ほどの資金があったということになります。日本円で1億円は中国では約4倍の4億円相当の価値がありますが、一介の警察官がそのようなしきっがるとも思えず、マンションの売買に何かからくりがあるとしか思えませんでした。

何度か手続きやらで会社の通訳を通じその大家さんと話をしましたが、勤務時間中のはずなのに制服も着ないで部屋にやってきて小1時間も話をしたあと仕事に戻っていきました。そのうち妙齢の美人を連れて突然部屋を訪ねてきたりしましたが、その女性は奥さんとのことでした。

どうも奥さんが日本人に興味があって、せがまれて連れてきたというような言い訳をして変に愛想よく振舞っていました。警察の仕事以外にマンションころがしのような副職をしていたのだとそのときは思いました。

2回目に住んだ新築のマンション

莫大な利益の出る仕組み

さて、この嘉定の地でも2LDK程度の広さのマンションを買うとすれば安いものでも250万元はします。土地は国家のものなので土地を買うのではなく「使用権」を買うことになります。もちろんこの使用権は半永久的に保証されなければ高額の借金を背負ってまでして買う人はいませんから、一応は保証されています。土地そのものは地方政府の所有でタダですが、開発業者が売るマンションの価格は東京での土地プラス建物の価格とさほど変わらない価格で売買されています。つまり土地の価格分の利益がまるまる出るということになります。この大きな利益を地方政府と開発業者とが手に入れることができることになるわけで、このことにこの国の利権のからくりが見えかくれします。

結婚を機に230万元のマンションを購入した張さん

そんなことを考えているうちに、会社で直属の部下に当たる張係長が結婚を機にマンションを買ったという話を聞き驚きました。価格を聞くとうれしそうに230万元したというのです。

彼の給料は3000元もしません。奥さんも働いていますが2000元程度の給料なので二人合わせても5,000元の月給で、年収にすると6万元にしかなりません。それで250万元のマンションを、ローンを組んで買うというのです。給料を全て返済に充てても40年かかるものをどうして買うことが出来るのか、日本の住宅ローンしか知らないものには想像を絶する話でした。

これは年々給料が上がることと住宅の価格が上がり続けることを前提とした融資であって、アメリカのサブプライム問題と同じ話ではないか、これは絶対に破綻すると思いました。

上海市街に向かう高速道路からは、住居者がないままに放置されている高層マンションの群れがあちこちに見ることが出来ます。国全体のGDPを上げるために不要な建築工事が各地方で行なわれ続けているのです。

完成したものが経済活動に寄与するかどうかは関係なく建築費が生産高としてGDPに計上されるからです。通常の国ではこのようなことは続かず破綻するのですが、何故か中国においては国家主導で回避できると説く人もいます。

そんなことが可能なのか、張さんのうれしそうな顔を思い出すたびに可能であればいいなと思うのです。 →続き(不動産バブルどうなるのか)

 

→関連記事:上海の水道水は飲めるのか

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