中国の制度

中国が2人目出産に祝い金などを検討【一人っ子政策の実態はどうか】

投稿日:2月 28, 2017 更新日:

中国政府が二人目を出産した世帯に祝い金や補助金を出すことを送ることで検討しているらしい。人民日報が2/28報じました。

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一人っ子政策のために少子高齢化が進み将来の労働力不足が経済的にも問題となることを考慮したものだが、日本とて他人ごとではありません。

そもそも、中国の一人っ子政策とはどのようなものなのか、中国に住んでいた時の経験を踏まえて考えてみたいと思います。

最初中国に住んで、会社の若い人と話しているうちに「私の兄が」とか「妹が」という話がよくでました。

不思議に思い、「中国では一人っ子ばかりで兄弟姉妹はいないのかと思っていたが」と聞いてみると、「いやいる、たくさんいる」というのです。

「いとこ」も兄弟姉妹と呼んでいる

よくよく聞くとそれらのひとは本当の意味の兄弟姉妹ではなく「いとこ」たちでありました。中国では「いとこ」のことを「兄さん」「姉さん」と呼んで兄弟姉妹と区別しないのです。

これは農村出身者でも上海出身でも同じでした。

「いとこ」と兄弟姉妹を区別しない文化は古代より存在するので、中国もそうであったのかもしれない。また、近代の一人っ子政策で兄弟姉妹がいなくなり、やはり寂しいのでいとこも兄弟姉妹として扱うようになったのかは彼らに聞いても分かりませんでした。

「いとこ」を除いても、いわゆる同じ親を持つ兄弟姉妹がいるという人もなかにはいるのでおなじように聞いてみると、農村出身の王さんは「農村では二人以上こどもを産むは自由だから兄弟はたくさんいる。一人っ子政策は都市部だけの話だ」といいます。

農民籍と都市籍の人では適用される制度そのものが違う

機械化の進んでいない農村部で一人っ子政策を勧めればすぐに労働力不足で農業が成り立たなくなるだろうからなるほどと思ってしまいます。

一方、上海市出身の周さんに聞くと「都市籍でもお金(罰金)さえ払えば二人以上子供を持つことは認められており、そういう家族も少なくない」といいます。

同じ農村でも地域によって二人以上子供を持てる条件がいろいろ違うようである。また、一人目の子供が女の子であれば二人目は制約がないというのもあり、制度としてはかなり複雑であることが分かりました。

中国でよく言われる「上に政策あれば、下に手段あり」を地で行っているようです。

中国では夫婦別姓ですので、一人目の子供は父親の姓を名乗り、二人目の母親の姓を名乗るといったことが過去から慣習としてありましたが、一人っ子になるとそうはいかず、どちらの姓を名乗らせるかは、両親だけではなくその親の思惑も絡む複雑な問題になってきています。

従って、裕福な家庭では大金を行政に支払ってでも二人目の子供を作るのです。


二人目を安心して産めるには何が必要か

行政はその収入が無視できないほどの額になるため、これまで一人っ子政策を止めたくともやめられなかった事情があったのでしょうが、ここに至ってはそんなことを言っている場合ではなくなったのでしょう。

二人目の出産に対しての祝い金や補助がどの程度の額かはわかりませんが、二人目を産んで育てるだけの収入のない人々が圧倒的に多いために一人っ子が増えてきた現状を見ると、これら一般の人の経済的な生活水準自体を上げることが、一人っ子の減少を実現する最も有効な方法といえるのではないのでしょうかう。

これは、日本の少子化にも言えることです。

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