中国で働く人々

上海工場での人集め作戦(一日で500人を集める?)

投稿日:2月 12, 2017 更新日:

私が仕事をしていた上海の生産工場では従業員は、少ない時で1300人、多い時で2000人を超すことがありました。
大量の注文があって生産量をなくてはいけないときは自動組み立て機などの設備を増設せずに、大量の従業員を雇い3交代などの人海戦術で生産量を上げるためです。

一度に500人を雇うこともあります。日本でそれだけの従業員を雇ったら経費がかさんで経営を圧迫することになる。日本では終身雇用制がなくなったといわれますが、それでも一度採用した社員はそれなりの理由がない限り解雇はできないようになっています。したがって正社員ではなく、アルバイトなどで急場をしのぐのが通常です。

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一方上海の工業団地では、このアルバイトという雇用形態がないらしく、一応社員として正式に雇う形態となっているのですが、簡単に辞めていくので非常に流動的です。
日本での感覚では一度に500人も雇用したら、注文が減って生産量を抑えるときに人が余ってしまうし、給料は払い続けなくてはならないのにどうするのだと思ってしまうところです。

ところが、大丈夫なのです。彼らには会社に対する帰属意識などというものはもともとないに等しいですので、収入が減れば簡単に辞めていきます。彼らの給料は最初の1年間は国が定める最低賃金なのが普通ですが、正直な話これでは少なすぎます。ですから彼らは残業があると喜びますが、残業代が稼げないとなると簡単に辞めていくのです。従って、人を減らしたい時は残業をさせない。それで200人ぐらいはまとめて辞めていきます。残業の量で人員を調整していくのです。それを意図的にやるというよりも、受注量が減って生産量が減れば当然なことですが残業も減り、それにつれて人も辞めていくということです。



一度に500人もの作業者を1週間以内に集めなければならない時がありました。通常は人事課の女性課長をはじめ女性課員が顔見知りの複数の農民工斡旋会社のひとに頼むルートがありました。
斡旋会社といっても個人でやっている場合が多く、自分の顔と人脈を通して地方から出てきたばかりの若者や、既に仕事についているがもっと給料の多いところを探している若者に条件を示してかき集めるだけでのブローカーのようなものです。

この場合斡旋した一人当たりいくらと最初に払い切ってしまう場合と在籍している期間はその人の給与額の一定比率を支払う場合との二通りの報酬の支払い方があります。

通常は数十人単位での調整なので人事課の彼女らに任せていましたが、この時はなにせ人数が人数ですし、緊急事態でありました。そのため 私が直接斡旋業者と条件交渉に臨まなければならなくなりました。

その中の1社が、ある条件を出してきました。その条件とは、すべての人数を自分にまかせてほかの会社には頼まないなら期日までに500人を用意するといったものでありました。
迷っている時間的余裕はなかったので私はその条件を飲み、その斡旋業者を信用してまかせることにしました。

一方で、500人確保できたとして、その500人分の住居、そこからの通勤手段、工場での食堂の場所の確保などやらなければならないことは他にも山ほどありました。もちろん中国人スタッフがあれこれ当たって情報や案を出してくるのですが、それらを実際に現地で確認したり、金額の交渉に立ち会ったりして結論を出さなくてはならないのです。

結果としてそれらの課題は何とか克服できたのですが、彼の人材募集斡旋業者は口ほどになく途中で人が集められず、泣き言を言ってくる始末でした。そこをなだめたり、脅かしたりしながらお尻をたたきつつ、生産量を調整することで何度かに分けて500人を確保させました。

 

中国での仕事は臨機応変の対応が必要で時には裏技も使いながらこなしていかなければならないので、総務関係の仕事については日本でのやり方はあまり参考にはならないといえます。

→関連記事:上海の工場で働く人の賃金はどのくらい?

→関連記事:中国人は自分勝手? 【上海工場での賃金めぐる攻防】

→関連記事:出稼ぎの若者たち(農民工)の生活は日本の尺度で測れない

 


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