中国で働く人々

上海の工場で働く人の賃金はどのくらい?

投稿日:2月 12, 2017 更新日:

中国での労働者の最低賃金は国で定められていて、都市や省によって違います。

上海市の最低賃金はその中でも最高水準で、私の赴任当時(2008年)では月給960元でしたが、その前年は840元で毎年上昇の一途でした。
2009年はリーマンショックの影響もあり最低賃金の引き上げは見送られましたが、2010年には1,120元に上がり、その後毎年上がり続けて2016年には2,190元となっています。6年で倍になったことになります。

スポンサーリンク


上海市の最低賃金は毎年4月1日に発表され施行されますが、4月末に支払う給料前にはそれを織り込んだ新しい給料体系を作らなければなりません。

その準備を考慮しているのかわかりませんが1月には事前に引き上げ案が公表されます。日本で新年度というと4月からですが、中国での会計年度は1月から12月の期間となりますので何故4月1日施行なのかはよくわかりません。



中国に生産工場をも持つ日本企業の多くは、材料を日本から仕入れ、できた製品は日本で売るか直接海外に売るかの形をとることになります。
中国の物価水準が上がっても製品の単価には影響しないので売り上げは変わりません。しかし、生産コストの大部分は人件費が占めます。最低賃金が倍になるということは人件費が倍になるということです。

売上が増えずにコストが増え続ければ採算がだんだん取れなくなってきます。
企業はやむを得ず、賃金の安い内陸部に工場を新設したり、ベトナムに進出したりします。
これは、タイの人件費が上がり採算が取れなくなった企業が中国に工場を作りだした時の状況に似ています。

ベトナムの人件費が上がればさらに人件費の安い国へと移ってくのでしょう。労働集約型の生産方式で採算を得ようとすれば当然の帰結となります。

それでは人手に頼らない自動機による生産方式に変えればよいのか。それは日本国内の生産と変わらないことになり、海外で生産する目的が曖昧になります。自動機製作の設備投資額よりも安い賃金で生産する方がコストがかからないから海外で生産するわけです。日本での製造業の空洞化と海外で生産することの意味をあらためて問われているのだと思います。

→関連記事:中国人は自分勝手? 【上海工場での賃金めぐる攻防】

→関連記事:出稼ぎの若者たち(農民工)の生活は日本の尺度で測れない

→関連記事:上海工場での人集め作戦

 

スポンサーリンク

スポンサーリンク




スポンサーリンク




-中国で働く人々

執筆者:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

上海で出会った韓国と北朝鮮【上海での接待事情】

私の上海の工場では携帯電話の部品も製造していましたので、部品を納めている世界有数の携帯電話端末機メーカーの人たちが打ち合わせやラインの視察のために工場に来ることがよくありました。1社は世界に冠するAp …

金城武のことを中国ではどう呼ぶのか

映画俳優の金城武は日本でも名が知れていますが中国でも大変人気があります。私がこの台湾生まれで日本や台湾だけでなく中国で活躍するの彼に興味を持ったきっかけとなったのは、赴任した上海の工場で人事課で仕事を …

二人の「小鬼子」・・・・日本人の秘めたる狂気

上海市の郊外の街に住んでいましたが、工業団地に海外企業を誘致していたためにすくなからず日本企業が工場を持っていました。またそれらの現地工場にサービスを提供する企業も多く進出していました。 そのような関 …

南京大虐殺記念館を訪ねて思うこと

中国に赴任することになり、まず気になったのが中国における反日感情でした。 かつて自分勝手な理由で他国に軍隊を派遣して戦争を仕掛けた、そのためにその国人々が1000万人以上も死ぬことになった。その子孫が …

中国の身分証には民族名がある

中国の人は身分証を常に携帯しなければならないことになっています。国内の宿泊設備に泊まるときや郵便物を受け取るときにも提示する必要があるようです。この身分証をなくすと、あらゆる公共のサービスが受けられな …