上海の生活

ニーハオトイレとはなにか【上海のトイレ事情】

投稿日:2月 9, 2017 更新日:

中国の習近平国家主席が、観光業の発展に向け各地にきれいなトイレを整備する「トイレ革命」を推進するよう指示したという記事が最近新聞で報道されました。国家の指導者がトイレの改善を人々に呼びかけるというのは、逆に言えば中国でのトイレに対する感覚が他の外国とのあいだには明らかに大きな隔たりがあることを如実に示しているといえます。それでは、中国におけるトイレは日本とどう違うのか経験も交えてお話ししたいと思います。

恐怖のニーハオトイレ

中国駐在の日本人の間で密かに恐れられているものに「ニイハオトイレ」というものがあります。会社や住んでいるマンションには洋式の水洗トイレがありますので日本にいるときとトイレに関しては同じですし、外出する時もデパートなどのトイレを使うこともありますがそれでも小用しか使いません。大用を使わなくて済むように予め用を足してから外出するようにしていました。

ある人が出張で地方に行ったときににわかに便意を催し、他にないので我慢しきれずに見つけた屋外の公衆便所に入ったのですが、これがニーハオトイレと呼ばれているものでした。トイレに入った瞬間にその中の光景に圧倒されて、入り口で立ち尽くしたということです。その先の話は詳しくは聞いていませんが、それ以来駐在してくる日本人に先輩からそのトイレの名を教えられ恐れられることになりました。

中国の集落とトイレ

中国のトイレはもともと中国では家ごとにトイレがあるわけではなく共同トイレが普通であったあったらしいのです。

少し前までの中国では何軒の家が固まった小さな集落のようなものを形成し、入り口が一つで中央に共同で使用するスペースがあり、それを囲むように石造りの家が立ち並ぶ感じです。昔の日本の町中の長屋集落のように井戸を中心に一つの生活圏があったと思われます。

北京市内では古いそれらの集落が一部残されており、実際に生活しているところを人力車に乗って回りながら見学できる観光コースがあります。

上海の郊外にも一部残っていますが。こちらは観光用ではなく実際に生活しているのですが、いずれは近いうちに立ち退きをさせられ後に高層マンションが建つ運命にあります。

ニーハオトイレの実際

トイレは共同であり、日本の公園の中にある公衆トイレのようなものが、集落の外にあっていくつかの集落が共同で使ているようです。

このトイレは実は中央に縦長に溝を掘っただけの簡素なものです。この溝には川や用水路から引いた水を流すことができるようになっているようです。使用する人はこの溝に直角に設けられた踏み板に足を乗せてしゃがみこみ、丁度和式のトイレとと同じような格好で用を足すのです。 ただし、他人とを仕切りものがないか、あっても背の低いものしかなく、隣で用を足す人の顔が見えるのだそうです。それを複数の人が同時に使用すると聞くとその状況を想像することは日本人には難しいですね。

下の写真は「80年代的愛情」という1980年代の若者を描いた中国映画の一場面です。都市の大学を出た若者は官庁に就職しますが、地方の小さな町の役所に転勤させられます。ある時下痢をしていた彼は急に便意をもよおし、役場の庭にあるトイレに駆け込みますが、そこには新聞を読みながら悠然と用を足す上司の姿がありました。一瞬躊躇しますが下痢が激しい彼に選択肢はなくズボンを下げてその隣に腰を下ろします。一見洋式のように腰かけているように見えますが、しゃがんでいるだけです。

このあと、用を足す音とともに都会での生活を質問してい来る上司に彼は閉口しながら、仕方なく答えるシーンが続きます。この時代の舞台である80年代では都会の若者にとってこのような方式の共同トイレはすでに過去のものであることとして描かれています。

中国映画「80年代的愛情」からの1シーン

 

お互いに並んでしゃがみ、世間話をしながら用を足すことから「ニイハオトイレ」と呼ばれています。トイレとの言葉が都川ていることから外国人の命名と思われます。このようなトイレは都市部ではほとんど姿を消し、地方に行かないとお目にかかれないらしいですが、仕事の用件で地方に行った際にはそのようなトイレしかない場合はどうするか、やはり入るしかないのでしょうか。もし用を足しているときに他の人が入ってきてズボンを目の前で下げ、しゃがんだとしたら余程の肝の据わった人でないと出るものも出なくなるでしょうし、まして「ニイハオ」と挨拶する余裕もないのではないでしょうか。

実際に使用したという経験を持つという日本人にはあったことはありませんので残念ながら使用した時の感想を聞いたこともありません。

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小学校で見た集団用トイレ

私が、上海の郊外で中国語の個人レッスンを受けていた教室というのは、今は使用されていないある小学校の小さな教室を利用して行われました。

途中休憩時間にトイレに行くと、そこはがらんとしたコンクリートの打ち放しの殺風景な部屋で、側溝が2本あるだけであった。1本は小さい用で、もう1本は跨げるようになっていたので大きい用と思われました。

小学生であれば7,8人並べる長さである。それを見て私は、授業が終わって児童が一斉にトイレに走って用を足す姿を想像しました。トイレひとつしかないのでもしかしたら男女共用なのかと首を傾げたものです。その小学校はつい数年前までは使われていましたので少なくともそのトイレも児童たちが使っていたわけですが、最近の学校ではどうなのでしょうか。

 

上海のトイレではトイレットペーパーを流してはいけない

最近の都市部のトイレ事情は大きく変わってきており、水洗であるし、もちろん個室です。
しかし、日本と違うところが一つだけあります。それは、使用したトイレットペーパーをトイレに流さないことです。流さないでどうするのか。
トイレには蓋つきのごみ箱が用意されており、その中に捨てるのです。

これが日本人にはできないのです。使用したトイレットペーパーを手に持って、目の前にある蓋つきの収納箱を開けて入れる動作は想像するだけで気が引いてしまいます。まして、蓋を置けたら前の人の使用済みが入っているのです。

トイレには張り紙がしてあり、「トイレが詰まるので紙を絶対に流すな」と書いてあります。
上海の下水管が細いのか、水圧が低いのか定かではありませんが、トイレットペーパーがよく詰まるらしく、トイレットペーパーを下水に流すのはご法度でなのです。

レストランでも、喫茶店でも、スーパーでも、個人のマンションでも同様です。
日本人は張り紙の意味が分からずに当然のように紙をトイレに流します、知っている人も知らないふりをして流します。しかし、それで詰まって困ったということは聞ききません。中国の人は余程一度に大量の紙を流す習慣があるのでしょうか。

私の部屋はマンションの9階にありましたが、トイレットペーパーを流しても一度もトイレが詰まったことがありません。中国人の友人が部屋を訪ねて来た時にトイレを貸す場合があるのですが、入ろうとすると紙入れの箱がないことに気づいて、あるべきものがないといいます。そのまま流していいというと、そんなことして詰まったらどうするのだと必ず言います。それでも構わないというと怪訝な顔をします。実際のところ、ゴミ箱の中とはいえ、そんなものを残されては困るというのが本音です。この辺の感覚の違いは国民性から来るのでしょうか。

最近は日本にも多くの中国の人が観光やら買い物のために来ており、駅やデパートでは中国語が飛び交っていますが、ある大手デパートのトイレには逆に「ここに使用済みのトイレットペーパーを置かないで、トイレに流してください」と中国語で貼り紙がされていると聞きます。

 

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